2448　婦人用　大島の着物

割り込み絣の本場大島の着物です。

遠目には、黄みの暗い茶色の紀州茶系の色目に黒い円の七宝柄を織りましています。（ネット　伝統色のいろは　を参照しています）
　
七宝は仏教で金、銀、瑠璃、玻璃、珊瑚、瑪瑙、真珠の宝をさしていて、そのためか、吉祥柄となっています。

七宝柄は1つの円に4分の1の円を重ねて配置した柄のことで、輪違いともよばれています。

七宝の中に花を配置した文様を花七宝と呼び、多く見かけますが、この着物は七宝の中に、４つの菱を集めた四つ割菱を置き、その上下左右に肩肘を張った人形のような図形を織り成しています。

その人形図形をUSBデジタル顕微鏡で撮影しますとこの絣の織り方は割り込み式の様です。（写真8枚目）

割り込み式の大島は、一元式（井桁形）とカタス式（T字形）を合わせたような織り方となっています。

割り込み式の特徴はアルファベットのIEに似た絣柄に見られます。

割り込み絣は非常に難しい技法で、熟練の織り手でも織れる人が限られているそうです。
図案・設計糸・糸の染色から織り上がるまで、１年以上、費やしているはずです。

反物端や証紙がありません。
確証はありませんが、割り込み絣の大島だと推測しています。

数少ない割り込み式です。是非この機会にお求め頂ければと思っております。

胴裏は白の羽二重、八掛は精華ちりめん重めの生地で、臙脂の無地に染めています。

着物の袖口や裾に、裏地を表に折り返して表から見えるように仕立てた袘（ふき）に当て布を付けています。
擦れやすい表地の傷みや汚れを防ぐために付けられたのかもしれませんね。（写真9枚目）

寸法（単位㎝）
身丈（背）151　裄62.5　袖巾32.5　袖丈49　後巾28.5　前巾22.5

袖の丸みは６㎝で、少し大きめです。
広衿　裸スナップが付いています。

左衿の折れ目辺りに薄い汚れがあります。ほとんど分からないと思います。（写真2,3枚目）

胴裏の後身頃にスナップの緑青跡と右袖付けの下に小さな汚れがあります。（写真9枚目）

シミ、汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解の程、お願いいたします。

デジカメの画像です。カメラやスマホそしてパソコン等によって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。

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